産業用ロボット大手のファナックは24日、2020年3月期の連結営業利益が前期比53.6%減の757億円と半減する見通しだと発表した。昨秋から続く米中貿易摩擦や中国企業の投資抑制の影響が今後も続くと判断した。売上高は15.5%減の5369億円、最終利益が59.6%減の623億円を予想する。
ファナックをはじめ産業用ロボットや工作機械の業績見通しは、企業の設備投資の先行指標とされる。
ファナックの大幅減益予想は今後の日本経済の先行きにとって大きな重しとなりそうだ。また今後、大手製造業の3月期決算発表が本格化するが、厳しい業績見通しが相次ぐことになりそうだ。
同日発表した19年3月期連結決算は、売上高が前期比12.5%減の6355億円、営業利益は28.9%減の1632億円、最終利益は15.3%減の1541億円だった。
地域別の売上高では、中国が44.0%減の1209億円。電機や自動車を中心に業種を問わず、産業用ロボット、工作機械の受注を落とした。
米国も自動車を中心に設備投資の谷間に当たったことで振るわず、11.2%減の1286億円にとどまった。