スズキは無資格検査の存在を否定していた。だが法律事務所に委託した調査により、静岡県の四輪車3工場で、検査補助者が単独で検査していたり、他人の検査印を使用していた不正が判明。3工場の課長級の管理職が連絡を取りながら、チェックシートを巧妙に書き換えるなどの隠蔽工作を行っていたという。
データ改竄や不適切な試験は、20年4月から30年9月にかけて行われたことが確認され、1万1070台が見つかった。全車を対象にしたブレーキ制動力検査などでも不正が判明。聞き取り調査では、不正が昭和56年にすでに行われていたという証言もあったという。
スズキは品質や安全の向上のため、今後5年間で1700億円規模の投資を行うなどの再発防止策も示した。鈴木氏は現経営陣の責任について、「役員報酬の減額を含め、厳正に対処する」と述べた。