男性の美容意識の高まりから化粧品市場が拡大する中、小林製薬が2月中旬にリニューアルした「MEN’S(メンズ)ケシミン」。40代以降の男性のシミ対策に着目し、専門ブランドの地位を確立している。女性のシミの原因を長年にわたって研究してきた開発チームが、男性のシミの特徴や、男性のシミの原因の一つを炎症性物質「プラスミン」だと突き止めた。その斬新な着眼点は海外の学会発表において同業者からも絶賛された。
今回の刷新の主な点は、男性のシミの発生原因の一つをプラスミンだと発見した研究成果から、有効成分をビタミンCからプラスミンの活性を抑える働きがある「トラネキサム酸」に変更したことだ。
女性よりも肌に炎症
2014年2月に発売された初代のメンズケシミンは、女性向けの商品と成分はほぼ同じで、男性向けの香りが特長だった。当時、女性のシミ対策の研究が主流で、男性のシミに関する研究データ、知見はほとんどなく、男性からの関心度も低かった。
そこで男性のシミの研究に乗り出したのが、同社研究開発部スキンケア開発グループの恒松希さんだ。恒松さんは07年に小林製薬に入社後、12年にわたってシミのメカニズムを研究している。