三菱地所と格安航空会社(LCC)のジェットスターは30日、沖縄本島南西の離島、下地島で「みやこ下地島空港ターミナル」(沖縄県宮古島市)の開業記念式典を開催した。同空港では三菱地所が施設を運営し、ジェットスターが成田との往復路線を運航する。両社は増加を続ける宮古島地区のリゾート空港として誘客を図る考えだ。
下地島は観光客が急増する宮古島と伊良部大橋で結ばれ、車で20分ほどの距離にある。宮古島にある空港は大型機の離着陸が困難で那覇路線などで混雑が続いており、三菱地所は下地島空港で、宮古島では困難な大型機による国際線の就航を目指すなどする。
成田を午前7時過ぎに出発したジェットスターの初便は午前11時過ぎに下地島に到着。乗客は地元のミス宮古島やゆるキャラに迎えられた。成田行きの初便は11時半過ぎに出発。乗客は地元の伝統芸能の獅子舞などに見送られて乗り込んだ。
同空港は、平成29年に三菱地所が沖縄県と運用や施設整備で基本合意。「空港から、リゾート、はじまる。」をコンセプトに、ターミナルに地元風の茶色の屋根瓦を使うなど、従来の自治体が運営する地方空港と一線を画すリゾートらしいデザインを取り入れている。三菱地所は4月から静岡空港の運営を始めるなど今後も全国で空港運営に注力する。
下地島空港はこれまで主にジェット機の訓練用などに使用されてきた。今回運航が始まったジェットスターの成田路線は、同空港としては6年に那覇路線が廃止されて以来の民間定期便の就航となる。運賃は6990円から。ジェットスターは7月3日から関西空港と結ぶ路線も運航する。片岡優社長は式典で「就航によって宮古島や下地島の魅力を全国に伝えたい」と述べた。