【検証エコノミー】石油元売り再編最終章 出光・昭シェルが4月1日統合、脱国内中心が課題 (3/3ページ)


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 石油ビジネスの将来は決して明るくない。経済産業省によると、石油製品の国内需要は29年度、ピークだった11年度と比べて29%減少。人口減やエコカーの普及を背景に、今後も年率約2%減っていく見込みだ。国内を中心に石油ビジネスを営むという従来の事業構造からの脱皮は、元売り各社の共通課題といえる。

 出光はこれまでも、テレビや携帯端末に使われる有機EL材料が将来的な成長分野として期待を集めてきた。海外展開でも、出光が他社との合弁で手がけるベトナムのニソン製油所が昨年11月に運転を始めた。

 出光・昭シェルは昨年10月、原油の共同調達や国内7製油所の石油製品の融通などで33年度に統合効果600億円▽統合から3年間の累計で最終利益5千億円以上-を柱とする経営目標を打ち出した。今年10月にも長期ビジョンを含めた中期経営計画を公表する。

 みずほ証券の新家法昌シニアアナリストは「JXTGとの対比でみても、統合効果600億円はそれほど高いハードルではなく、達成が必要な水準」とみる。中期計画については「足元では海外や石油化学の市場環境に不安感が拭えない中、それを踏まえても昨年10月に示した経営目標が達成可能とみているのかが重要」と指摘。また、「海外や(有機EL材料などの)高機能材、再生可能エネルギーといった、従来の中核ビジネス以外の分野でどの程度の利益貢献を見込むのかにも注目したい」と話した。