農業用ドローンのナイルワークス 16億円を調達

ナイルワークスが6月に発売する農業用ドローンの量産機=14日、東京都千代田区(松村信仁撮影)
ナイルワークスが6月に発売する農業用ドローンの量産機=14日、東京都千代田区(松村信仁撮影)【拡大】

  • ナイルワークスが6月に発売する農業用ドローンの量産機=14日、東京都千代田区(松村信仁撮影)
  • 増資後の経営戦略について説明するナイルワークスの柳下洋社長=14日、東京都千代田区(松村信仁撮影)

 農業用無人飛行機(ドローン)開発のナイルワークス(東京都渋谷区)は14日、INCJなどを引受先とする総額16億円の第三者割当増資を実施したと発表した。同社が開発するドローンは飛行する高さや位置を数センチメートル単位で制御して完全自動飛行できるのが特徴。調達した資金は6月に予定される量産機100機の発売や改良機の開発、人材確保、将来の海外展開などにあてる。

 今回の大型増資は平成29年10月に次いで2回目。INCJは2億円を出資した。他に出資したのは住友化学、住友商事、農薬大手のクミアイ化学工業の各社と、投資ファンドのスパークス・グループが運営する未来創生2号ファンド、起業家の千葉功太郎氏らによるドローンファンド2号。

 6月に販売される量産機の価格は550万円前後の見通し。ナイルワークスのドローンは、機体の4カ所にある上下2枚ずつのプロペラがそれぞれ逆方向に回転することで、飛行中の機体の姿勢の安定性を高め、狭い範囲に農薬や液肥を集中的に散布できるようにした。搭載された小型カメラで撮影されたイネの生育状況の画像を解析し、将来の収穫量の予測などもできる。

 同日、東京都内で会見したナイルワークスの柳下洋社長は今後の展開について、「来年には500機、再来年には2千機のドローンを販売したい」と語った。