八王子や立川といった東京西部の都市の駅と東京駅を結ぶJR中央線沿線で、タワー型マンションの開発が相次いでいる。野村不動産は武蔵小金井駅周辺で、タワー型としては過去最大となる物件の販売を開始。住友不動産は八王子や国分寺駅に直結した物件の販売を本格的に進める。中央線沿線は古い街が多く住宅地も広がっており、シニアの富裕層も多い。こうした層の間で、より利便性の高い駅前マンションに移り住むといった動きが活発化、大型物件の需要を下支えしている。
ぬれずに施設利用
野村不動産の物件は「プラウドタワー武蔵小金井クロス」(東京都小金井市)。ショッピングセンターや医療施設、子育て支援機能などの多彩な生活利便施設が併設された大規模複合再開発の中に、26階建てと24階建てのツインタワーから構成された716戸のマンションを建設する。駅から徒歩3分という利便性に加え、武蔵野の自然を再現した植栽計画などによって反響は大きい。
相鉄不動産や三菱地所レジデンスが販売した、三鷹駅直結の地上26階建て184戸の「グレーシアタワー三鷹」(三鷹市)もこのほど完売した。
住友不動産が販売するのは35階・36階建てのツインタワー(総戸数は554)の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」(国分寺市)と、26階建て・204戸の「シティタワー八王子フレシア」(八王子市)。いずれも国分寺・八王子駅直結で、国分寺には建物低層部に三菱伊勢丹グループの商業施設「ミーツ国分寺」がテナントとして入り、八王子はイオン系の「八王子OPA」が隣接する。雨にぬれることなく駅や施設を利用できる点が売り物だ。