韓国の元徴用工や元朝鮮女子勤労挺身隊員らが三菱重工業に賠償を求め、韓国最高裁が原告側の訴えを認めたことを受け、元挺身隊員側の弁護団は7日、賠償支払いを拒否している同社の資産差し押さえを、ソウル中央地裁に申請したと発表した。元徴用工の弁護団も近く申請する。
韓国の裁判所は1月3日、新日鉄住金の資産の差し押さえを決定しており、三菱重工の資産についても認めれば2件目となる。
日本政府の反発は必至で、日韓関係の一層の悪化は避けられない情勢だ。
弁護団によると、申請対象は三菱重工が韓国内で所有する商標権2件と特許6件。地裁が差し押さえを認めれば、同社は売却や譲渡ができなくなる。弁護団の一人は取材に対し、3月中にも売却申請を行う方針だと明らかにした。
新日鉄住金のケースでは、裁判所は原告側の申請から数日で、資産差し押さえの決定を出した。
日本政府は、1965年の日韓請求権協定で韓国人の個人請求権問題は解決済みとの立場で「判決は暴挙だ」(河野太郎外相)と強く反発。被告企業に賠償には応じないよう求めている。韓国政府に対し、判決で日韓請求権協定の違反状態が生じたとして早期是正を求めているが、韓国側は対応策を発表していない。(ソウル 共同)