品種改良などで誕生した「新野菜」の生産に力を入れる地域が増えている。見た目が珍しく、栄養価にも優れているため消費者にアピールできると判断。特産に育てたい考えだ。
「いい感じで育ってますね」。1月下旬、JAあいち尾東・南部営農センター(愛知県豊明市)の営農相談員、青木崇史さん(35)は地元農家の蜷川文衡さん(42)の畑で声をかけた。蜷川さんが栽培しているのは収穫期を迎えている新野菜「カリフローレ」だ。カリフラワーを改良して2013年に登場。棒状に伸びた茎の部分に甘さがあっておいしい。青木さんは4年前から栽培を呼び掛けている。1袋を150円前後で主に直販所で販売。1株で5袋程度採れ、ブロッコリーより採算が良いという。
新野菜は品種改良や生産技術などの向上で一般にも流通するようになった野菜の総称だ。海外原産の洋野菜、国内の一部産地だけで取引されていた伝統野菜も部類に入る。「ズッキーニ」「モロヘイヤ」などすっかりなじんだものもある。
芽キャベツと青汁の原料になるケールを掛け合わせた「プチヴェール」は1990年に静岡県磐田市で開発された。現在、管内に生産農家が多いJAなんすん(同県沼津市)によると、全国流通量の95%が県産で2018年は約6500キロを出荷。担当者は「糖度も栄養価も高く、煮ても炒めてもうまい」と話す。