74カ国に展開する世界最大規模のワイン教育機関WSET(Wine & Spirit Education Trust)が、今年8月1日からスピリッツ(蒸留酒)講座を開講する。同講座の「レベル3」(酒類ごとの組織で決定権を持つ専門家のレベルに相当)のカリキュラムに含まれるアジアの蒸留酒の中に、日本の焼酎と泡盛が盛り込まれる。(酒サムライコーディネーター・平出淑恵)
鹿児島県は昨年6月、この好機を焼酎の輸出拡大に最大限活用しようと「焼酎輸出拡大等プロジェクト小委員会」を発足。顧問には、三反園訓知事、自民党国会対策委員長で、鹿児島県連会長を務める森山裕衆院議員が就任した。
同10月には小委員会の会長、副会長を務める焼酎醸造8社の蔵元が渡英し、スピリッツ講座レベル3のカリキュラムを作成したアントニー・モス氏が講師を務めた、WSET本校での本格焼酎特別セミナーを後援するなどの活動を行ってきた。
同県は今月2日から、2泊3日の日程でモス氏を招いた。初日の夜には、三反園知事、森山衆院議員、鹿児島県酒造組合の濱田雄一郎会長ら少人数での歓迎会も設けられ、モス氏も大変感激していた。
3日には「WSETから見た焼酎」という大きなテーマでセミナーを開催。会場は、定員の70人を大きく上回る100人近い参加者であふれた。
4年前、モス氏とともにWSETに日本酒に関するSAKE講座を誕生させた菊谷なつき氏が通訳を務め、今後の世界展開への示唆も含む、熱のこもった話の内容に大きな拍手が長く続いた。