スポーツ用品大手のデサントは7日、筆頭株主の伊藤忠商事が実施している株式公開買い付け(TOB)に対し、反対を表明した。国内では異例の大企業同士による敵対的TOBに発展する。
デサントは同日、臨時取締役会を開催。「当社との間で利益が相反する恐れがある」ことを理由に、取締役のうち、伊藤忠出身者2人を除く8人の取締役と監査役3人が反対で一致した。デサントは同時に株主に対して「本公開買い付けに応募されないようにお願いする」旨の意見を表明することも決議した。
デサントは5日も臨時の取締役会を開いて賛否を協議したが、この日は最終的な結論は持ち越していた。
伊藤忠は1月31日にTOBを発表し、デサント株の保有比率を現在の約30%から最大40%まで引き上げる方針を表明した。株主総会で重要な決議事項への「拒否権」を握る狙いだ。
一方、デサントはTOBに対し「当社取締役会に対して何らの連絡もなく、また事前協議の機会もないまま、一方的に行われた」と反発していた。