NTTドコモ、5G使い和歌山で遠隔医療実験

診療所から5Gで送られる映像を見ながら指導する和歌山県立医大の医師=21日、和歌山市(黒川信雄撮影)
診療所から5Gで送られる映像を見ながら指導する和歌山県立医大の医師=21日、和歌山市(黒川信雄撮影)【拡大】

 NTTドコモは21日、次世代通信規格「5G」を活用した遠隔医療実験を和歌山県内で実施し、公開した。県立医科大学(和歌山市)と、約40キロ離れた同県日高川町の診療所を5Gでつなぎ、高精細映像や音声により現場の診察を医大の医師が指導する様子を披露。遠隔医療での5G活用は世界的にも珍しく、今後の取り組みが注目されている。

 ドコモと県立医大の遠隔医療実験は、過疎化や地方の医師不足が深刻な同県側がドコモに呼びかけて昨年から実施。両者は2020年以降の実用化を目指している。

 21日の実験では、心疾患の既往歴を持つ80代の男性を診療所の医師が診察。その様子やエコー動画を5Gで医大側に伝送し、専門医が詳細にわたり指導した。4Kの高精細映像がスムーズに送られ、医大の医師は「診察に十分活用できる」と評価し、患者の男性も「医大まで行かなくていい」と話していた。

 現行の4Gの約100倍の高速通信が可能な5Gは、今年から世界各地で導入が本格化し、日本でも来夏の東京五輪までには商用サービスが提供される見通しとなっている。