◆無資格のマッサージ店も林立
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、マッサージ業他の施術所(あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうを行う施術所と柔道整復の施術所などを含む)は、2006年に10万8139か所だったが、2016年は13万6460か所に増加。この10年間で2万8321か所(26.1%増)増えた。
就業状況では、就業あん摩マッサージ指圧師が2006年の10万1038人から、2016年は11万6280人(15.0%増)に増加。このほか、就業はり師が42.5%増(8万1361→11万6007人)、就業きゅう師が42.6%増(7万9932→11万4048人)、就業柔道整復師が76.0%増(3万8693→6万8120人)と、いずれも大幅に増えている。
柔道整復師は、国家資格を取得できる養成校の増加も背景にあるとみられる。
最近、マッサージ業や接骨院等の不正広告が全国的に横行している。不正広告には、「○○療院」、「○○治療所」といった、病院または診療所と紛らわしい名称や適応症、効果・効能等の明示、料金表示などを店頭やチラシなどに掲示することも該当する。
こうした不正広告が増えた背景には、同業者の増加による過当競争が挙げられる。あん摩マッサージ指圧師等は、国家資格だが、最近は無資格のマッサージ店なども林立し、競争激化に拍車をかけている。
◆早過ぎる一本立ちも問題か?
さらに医師の診療報酬に当たる「療養費」で、接骨院など骨折や捻挫などの施術にあたる柔道整復師による不正請求が後を絶たない。一例として、白紙の療養費支給申請書に先にサインをさせ、架空・付増請求するケースのほか、無資格者による施術請求も行われているという。