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医療機器事業は大学取得特許の活用を (1/2ページ)

 医療機器における産学連携の共同研究プロジェクトを通じ、どのように基本特許を取得し、ビジネスを立ち上げるかの方法論について紹介しよう。(Kompath代表取締役CEO・高橋遼平)

 既存の市場に参入する場合、基本特許を押さえられている可能性が高いため、他者が保有する基本特許を活用する必要がある。その際、特許を買収する方法と実施許諾を受ける方法の2つの選択肢がある。しかし、いずれも買収コストや実施許諾に関するロイヤルティーが発生する。基本特許を保有する企業が当該特許を活用して事業を営んでいれば、売却も使用許諾も自社事業の競争力低下につながるため、受け入れられない可能性が高い。

 そこで、大学が既に取得している特許を活用し、新たな市場へ参入する選択肢を提案したい。大学は自身が事業主体とはなれないものの、研究者の成果を特許化し、企業に使用許諾を与えることで対価を得ている。

 医学系研究機関では、医者自身が臨床で感じる課題やニーズを解決する研究が行われ、独創的な特許も少なくない。共同研究を実施する研究者に、過去に出願した特許がないか、または共同研究を行う分野で特許を持っている研究者を知らないかを聞いてみるといい。大学の保有する特許は、思いのほか利用されている割合が少なく、将来の基本特許となり得るポテンシャルを備えた特許がきっと見つかるだろう。

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