横浜市の日産自動車本社【拡大】
日産自動車に対し、企業連合を組むフランス大手ルノーが臨時株主総会を開くよう再度提案したことが27日、分かった。逮捕された日産の前会長、カルロス・ゴーン容疑者の後継となる有力者を送り込み、引き続き経営の主導権を握ろうと圧力を強めている。日産は今回の事件で企業活動にも影響が出ており、緊張感が高まっている。
関係者によると、提案は書簡で届いたという。
日産は17日の取締役会の前にも、今後の経営体制をめぐり臨時株主総会の開催をルノーから要請されたが、拒否した。この取締役会では後任会長の決定を先送りし、今回の要請も拒む公算が大きい。両社の駆け引きは激しさを増しそうだ。
日産は、法人顧客から企業統治の在り方を問題視され、契約をキャンセルされる動きも出ている。また、2013年まで日産の最高執行責任者としてゴーン容疑者に仕えた志賀俊之取締役が、予定していた資生堂の社外取締役の選任を27日までに辞退した。「一身上の都合」が理由だと説明しているが、今回の事件の影響を踏まえたとみられる。
日産は、事件で延期していた電気自動車(EV)「リーフ」の催しを年明けの1月9日に開くが、出席役員への質疑を受け付けないなど自粛の姿勢を続けるもようだ。