ANA、来年9月に成田-豪パース就航へ 直行便で需要取り込み

 ANAホールディングス(HD)の片野坂真哉社長は25日までに産経新聞のインタビューに応じ、全日本空輸が来年9月、オーストラリア・パースに新規就航することを明らかにした。成田空港発着で週7往復を予定する。ANAHDは平成30年度から5カ年の中期経営計画で、国際線旅客の路線拡充による成長戦略を掲げており、今回の新規就航もその一環。

 西オーストラリア州の州都パースは全日空にとって27年12月のシドニー(羽田発着)に次ぐ豪州2都市目、世界44番目の就航都市。日本からの直行便はなく、外資系航空会社の路線によるシンガポールや香港経由の渡航が6割を占める。

 片野坂氏は「パースは資源が豊富でビジネス需要が強い。観光ではパースから北海道へ来られる方もいるので訪日ツアーも期待できる。(就航を機に)日本でもパースの魅力を発信していきたい」と話す。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などで活発化が見込まれる日豪間の人や物の移動を取り込む狙いもある。運航機材はビジネスクラスを備えるボーイング787-8型機を予定する。

 片野坂氏は全日空の31年度の座席供給量について、30年度比で国内線が横ばいに対し、国際線は8%増を計画中とする。31年2月には羽田-オーストリア・ウィーンが就航するが、3月に受領する中型機の787-10型機はシンガポール線やバンコク線に投入して、1便当たり座席数を2~5割増やして旺盛な需要を取り込む方針だ。