日産自動車の本社=10日午後、横浜市西区(松本健吾撮影)【拡大】
日産自動車が、「取締役会議長(会長)が役員報酬を決める」という社内規定を変更していたことが19日、分かった。金融商品取引法違反容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者(64)自らの報酬決定が事件の背景にあったため。抜本的な改革は外部有識者らでつくる「ガバナンス改善特別委員会」での議論を踏まえて行う。日産はまた、19日までに筆頭株主の仏自動車大手ルノーに対し、同社が提案していた日産の臨時株主総会の早期開催について拒否する回答をした。
役員報酬に関しては、取締役会議長に事実上、一任されていた。しかし、17日の取締役会でその条項を削除し、取締役会の協議で決めるという内容に変更したという。
また、臨時総会提案の拒否に関しては、ルノーに書簡を出した。特別委員会の議論を踏まえて開催時期を決めるという方針を示し、理解を求めたようだ。ルノーは法人としての日産が起訴されたことを受け、書簡で早期の臨時株主総会開催を提案していた。日産の西(さい)川(かわ)広人社長(65)は17日の記者会見で、応じない方針を示唆していた。
西川氏は19日までの2日間、ルノーのティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)代理(55)らとオランダのアムステルダムで企業連合の協議に参加した。「トップ会談」が行われるかが注目されていたが、ゴーン容疑者の後任会長人事や臨時総会の開催について議論の進展はなかった。