住宅宿泊事業法(民泊新法)の6月15日施行により、一般住宅での民泊営業が解禁されてから半年が過ぎた。訪日外国人の増加を背景に民泊に関連する新しいビジネスの展開も広がりつつある一方、民泊物件数の伸びの緩やかさに仲介サイト運営会社の一部からは危機感も漂う。要因の一端は、自治体の慎重さゆえの手続きの煩雑さで、政府は法に基づく適正運用を呼びかけている。
「意外にも民泊を運営した経験がない人からも申し込みが来ている」
企画会社オレンジ・アンド・パートナーズ(東京都港区)の担当者は民泊経営向け住宅「オレンジ・ドア」への反響に手応えを感じている。
民泊経営向け住宅は民泊としての活用を前提に所有者の居住空間と宿泊者向けの空間の双方を備えた住宅だ。オレンジ・ドアの第1号物件は来年6月の引き渡しが予定されている東京・西日暮里の7389万円の一戸建て。宿泊スペースに専用の玄関やシャワールームなどを設ける一方、所有者と宿泊者が交流できるリビングも用意する。
オレンジ・ドアは民泊仲介サイト運営のエアビーアンドビーと戸建て分譲住宅を手がけるオープンハウスとの共同事業。担当者は「今後はさまざまな(民泊運営)ニーズに対応できるシリーズに育てたい」としている。
民泊を地域の活性化につなげようとする動きも進む。訪日外国人客数が急増する中、観光地ではない地方へ足を向ける旅行者が増えているからだ。