日立製作所が、スイスの重電プラント大手ABBから、送配電や制御などの電力システム事業を買収する方向で調整していることが12日、分かった。実現すれば、買収額は8000億円規模となる見通しで、日立によるM&A(企業の合併・買収)では過去最大となる。世界の重電市場で米ゼネラル・エレクトリック(GE)やドイツのシーメンスといったライバルに対抗する狙い。
ABBの電力システム事業は世界首位。電力網の分野は新興国での整備加速や再生可能エネルギーの世界的な拡大に伴い、成長が見込めると判断したとみられる。日立とABBは、日本で合弁事業を手掛ける提携関係にある。