JR東海は28日、東京都品川区に建設中のリニア中央新幹線「北品川非常口」の内部を報道関係者に公開した。リニアは2027年に品川-名古屋間の約286キロが開業予定。直径約36メートル、深さ約90メートルの「立て坑」で地上とつながる非常口はリニア車両が走るトンネルの掘削工事の拠点で、営業運転開始後はトンネル内の換気や地上への避難通路の役割を担う。
北品川非常口は、品川駅(東京都港区)の南に位置。巨大な穴のような形をした立て坑の底の部分に、リニアが走行するトンネルが通る構造だ。底の部分は、非常口の強度を保つため、深さ約6メートルにわたり、コンクリートで固められている。28日午前、工事用エレベーターで約2分半かけて到達した深さ約83メートルの場所には、地下水排水用の重機や資材が並び、壁面には強度を維持するための鉄筋がびっしりと張り巡らされていた。
北品川非常口は地下40メートル以上で、用地買収が不要となる「大深度地下」として、国からの使用認可を鉄道事業として初めて受けた。