「パナソニックよ、あほになれ」 ファストリ柳井氏、愛ある故の異色進言 (1/3ページ)

パナソニック創業100周年を記念して開催されたフォーラムに登場した同社の津賀一宏社長
パナソニック創業100周年を記念して開催されたフォーラムに登場した同社の津賀一宏社長【拡大】

  • パナソニックへの愛ある講演を行ったファーストリテイリングの柳井正会長兼社長

 先月30日から今月3日まで、今年創業100周年を迎えたパナソニックが都内で開催した記念展示会で、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長兼会長が行った基調講演が異彩を放った。「世界一の会社に」「あほかと思われるような非常識な、高い目標を」「(企業向け事業である)BtoBではパナソニックは輝かない」など、一代で2兆円企業を築いた柳井氏ならでの言葉はパナソニックを鼓舞する内容となった。(中山玲子)

 「約30万円の自動車を世界で10億台。300万円くらいの住宅を世界で10億軒。これを世界で売れば、33兆円の売上高になる」 

 柳井氏はパナソニックに、創業者の松下幸之助が唱えた、水道水のように良質なものを安価で大量供給する「水道哲学」に基づいて、世界の誰もが安心して乗れる自動車と安心して暮らせる住宅を提供するよう提案してみせた。

 さらには、現在パナソニックが進めるBtoB事業の拡大にも注文。「津賀(一宏パナソニック社長)さんには申し訳ないが」と前置きしつつ、「電池の供給もいいが、BtoBではパナソニックブランドは輝かない。やっぱり(一般消費者を顧客にする)BtoC。アップルやグーグル、世界で輝くブランドはみんなBtoCだ」と強調した。

「直言」するのはなぜだろう