【中小企業へのエール】AIで無くなる仕事、無くならない仕事 人工知能と職業の関係 (1/2ページ)

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 人々の暮らしや生活を支える技術の進歩は著しく、中でも人工知能(AI)の進化にはめざましいものがある。既に多くの分野で実用化が進み、暮らしにも取り入れられている。(旭川大学客員教授・増山壽一)

 人間はAIのメリットを享受する一方、その進化に伴い、職業を取って代わられるのでは、無くなる職業も多いのでは、と心配する話もよく聞く。

 筆者はAI関連企業の顧問を務めている。同社は主にAIを画像認識に利用し、瞬時の解析技術で危険回避や毀損(きそん)個所の分析などを行う。鉄道や物流、上下水道などのインフラ業界での利用が急速に進む。画像認識はAIの得意分野。ほかにも銀行の窓口審査業務の代替や農業など、今まさに多様な分野に展開している。

 「AI化が進むと、無くなる職業が多い」という話だが、一業種の職業というくくり全てが、一気に無くなるわけでもないかもしれない。

 例えば、銀行の支店が急速に少なくなっている。預貯金や口座振替などの窓口業務は、既にインターネット経由が主流。融資相談や保険販売などは店舗に行き、対面のやり取りが求められるのでは、と思っていたが、AIに委ねる方向にある。

 ただ支店には、地域のことを知りつくしたベテラン職員がたくさんいる。その人たちを活用し、今までにないAIにもできない顧客サービスの提供が求められる場面は必ずあるはずだ。

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