中部電、関西で家庭向け基本料無料 大手初、販売拡大へ積極策

 中部電力が今月から関西地区で始めた家庭向けの電力販売で基本料金を無料にしたことが9日、分かった。電力大手10社で基本料金や最低料金を無料にするのは初めて。顧客基盤がない関西で販売を拡大するため、思い切った料金とした。

 家庭向けの電気料金の内訳として、契約アンペアごとに定める「基本料金」と、契約アンペアにかかわらず一定額を徴収する「最低料金」がある。中部電は基本料金、関西で競合する関西電力は最低料金を採用している。

 関電は一般家庭向けの最低料金を月額334円(従量電灯A)としているが、中部電は契約60アンペア未満の基本料金を無料に設定。1カ月の使用量が290キロワット時の標準世帯の場合、関電と比べて月額300円程度安くなる計算という。

 関電は電力小売り全面自由化後、さまざまな料金プランを設けていることを挙げ、「どちらが安いかは顧客によって異なり、一概に言えない」としている。

 新電力では、Looop(ループ、東京)などでも基本料金を無料にしている例がある。