財政健全化先送りのリスク訴え 同友会がフォーラム開催

 経済同友会は26日、東京都内のホテルで財政フォーラムを開き、人口減少時代を乗り越え、持続可能な社会をつくるための財政健全化策について話し合った。経済同友会の小林喜光代表幹事は「国民の痛みを伴う政策実現のためには、ポピュリズム(大衆迎合の人気取り政策)や、財政のバラマキの誘惑を断ち切らないといけない」と強調した。

 財政フォーラムは、「財政破綻が国民生活に与える影響と回避方策」をテーマに、慶応大の小林慶一郎教授やキヤノングローバル戦略研究所の須田美矢子特別顧問ら、5人のパネリストを招き、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。政府が基礎的財政収支の黒字化目標を先送りしたことなどに対し、危機感を共有するのが狙い。

 議論では、財政破綻に関し、「国債の日銀引き受け論があるが、政府の借金を日銀に置き換えるだけで、インフレによって資産課税のような形で国民に負担を強いる」「デフレ脱却後のリスクを考えていない」、また、消費税率10%への引き上げについて、「早く増税し、それ以上は上げないことで、成長と両立できる経済構造をつくるべきだ」といった指摘が出された。