豊洲市場が2年遅れで始動 初競り、マグロ最高額428万円

開場した豊洲市場で行われたマグロの競り=11日、東京都江東区
開場した豊洲市場で行われたマグロの競り=11日、東京都江東区【拡大】

 「日本の台所」と呼ばれた東京都中央区の築地市場の移転先、豊洲市場(江東区)が11日、開場した。小池百合子知事が安全性への懸念などを理由に移転延期を表明したため、当初予定より約2年遅れ、2001年の移転決定からは17年かかった。早朝から新市場で初めての競りが行われ、東京の新名所がようやく幕を開けた。

 築地市場は6日に83年の歴史に幕を閉じ、業者が10日までに引っ越しを終えた。11日は午前0時から水産物や青果物の取引が始まり、午前5時半からはマグロの競りがスタート。競り開始を告げるベルの音に続いて威勢の良い声が飛び交った。

 マグロの最高額は214キロの青森県三厩産で、428万円(1キロ当たり2万円)だった。築地最終日の6日の最高額は438万5000円だった。

 豊洲市場の敷地面積は約40ヘクタールで築地の約1.7倍。建物は閉鎖型で、産地から店舗まで魚や野菜を低温管理して鮮度を保つ「コールドチェーン」機能を持つほか、衛生面の管理も強化した。

 一般客の見学や、物販・飲食店の利用は13日から。マグロの競り見学は年末年始の繁忙期を終え、市場が落ち着く来年1月15日に開始予定。築地では間近で競りを見ることができたが、豊洲は一般客の動線を分けており、ガラス越しに見学する。