総務省は3日、第5世代(5G)移動通信方式の価格やサービスを議論する有識者会議を開き、携帯大手3社は超高速通信などの一部サービスを2019年をめどに開始する方針を示した。NTTドコモの吉沢和弘社長はラグビーワールドカップ(W杯)に合わせ、スポーツ観戦サービスなどを同年9月に開始すると明言。一方、同年10月に携帯電話事業に参入する楽天は5Gを見据えた4G基地局の整備を進めるとした。
5Gは現在と比べ最高伝送速度が約100倍になる。通信の遅延が極めて小さくなり、医療機器や建設現場の重機など精密な動きが求められる機械も時差なく遠隔操作できるようになる。今年度末に利用できる周波数は4社に割り当てられる見通しだ。
ドコモはこの日、遠隔診療や人工知能(AI)による画像解析による渋滞や火災検知などのサービスを紹介。20年春ごろ、商用サービスの開始を前に5Gに対応したスマートフォンなどの端末を発売するとした。
料金について、吉沢社長は「ベースとしての通信料金がどれくらいかを議論しないといけない」と述べるにとどめ、データ容量を基準にした現在の料金から、さまざまなサービスと組み合わせた新しい料金を打ち出す考えを示した。
KDDI(au)やソフトバンクも20年東京五輪・パラリンピックを機に、無人飛行機(ドローン)による警備やロボットによる観光案内などで活用する構想を明らかにした。楽天は5Gに切り替えやすい4Gの通信網を整備する計画で、新規参入後に5Gに移行する構えだ。