神戸製鋼所は1日、神戸市灘区の神戸製鉄所内で進める2基の石炭火力発電所の建設工事を開始したことを発表した。2021~22年度の稼働を目指す。出力は計130万キロワットで、すでに関西電力に電気を売る契約を同社と結んでいる。
神戸製鋼所は平成14年から16年にかけて、同製鉄所内で2基の火力発電所を稼働。昨年10月に停止した高炉跡に新たに2基を増設する計画を進めてきた。昨年発覚したアルミ製品などの性能データ改竄(かいざん)問題の影響で、手続きが一時停滞したが、今年8月、神戸市と環境保全協定を再締結するなどして工事に必要な手続きを終えていた。
同社は着工にあたり「地域社会との共生などにも配慮した都市型発電所として役割も果たす」としている。
計画をめぐっては健康被害や大気汚染につながるとして、周辺住民らが9月、同社などに発電所の建設と稼働差し止めなどを求める訴訟を神戸地裁に起こしている。