片岡剛士審議委員が日銀政策修正に反論 「むしろ追加緩和を」 (2/2ページ)

 そうなれば伸び悩む物価に下押し圧力が加わるのは避けられない。今のうちに「10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げる」ことで企業の設備投資や賃上げを促し、デフレ脱却を確実にしたいという考えだ。

 とはいえ、追加緩和すれば副作用は一段と強まる。金融業界では今回の政策修正は利ざや(貸出金利と預金金利の差)拡大に効果が薄いと不満があり、早くも修正第2弾に期待する声が上がっている。

 短期間で2%目標を実現するのは事実上困難な上、今回のような微修正を繰り返し大規模緩和を長期化しても最終的に目標を実現できる保証もない。円高を招く金融緩和の撤退(出口戦略)も、金融業界の反発を受ける積極的な追加緩和も選べず時間が経過すれば、いずれ景気後退でなし崩し的な追加緩和を迫られるシナリオが現実味を帯びる。

(田辺裕晶)