北海道で発生した地震の影響で道内全域に拡大した停電は、北海道電力苫東厚真火力発電所の緊急停止に伴う需給バランスの崩れが引き金となった。こうした全域停電に陥る事態は、他の電力会社では起きないのか。
東京電力ホールディングスの担当者は「夜間に1カ所の発電所が緊急停止しただけで全域での停電に陥る事態は、当社の管内では考えにくい」と指摘する。
そもそも、東電と北電では、1日のうちのピーク時の電力需要量に10倍程度の開きがあり、1つの発電所に電力需要量の半分程度を頼る供給構造になっていないためだ。加えて、夜間であっても、火力や水力などさまざまな電源を組み合わせて供給している。
東北電力は「発電所を分散して配置している。加えて、需要に対して供給が落ちて周波数が低下した場合は周波数を元に戻すために他の発電所が出力を上げる仕組みがある」と話す。
東日本大震災で東北地方では全域での停電を回避した。東北電の担当者は「悪い条件が重なった場合は全域での停電に陥る可能性もゼロではないが、発生しにくい仕組みになっていると考えている」と語った。