携帯電話大手3社、料金プラン単純化で対応へ 手続きめぐる官房長官の不満受け

定例会見に臨む菅義偉官房長官=30日午前、首相官邸
定例会見に臨む菅義偉官房長官=30日午前、首相官邸【拡大】

 大手携帯電話3社の主要な料金プランをめぐる菅義偉官房長官の不満の背景には、端末価格と通信料金が複雑に結びついて契約手続きの際の説明に時間がかかることなどがある。各社は端末価格を割り引かない代わりに通信料金を下げるなど、料金の低廉化と単純化を進める。今後、契約手続きの時間は短縮に向かう見通しだ。

 菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で、携帯電話事業について「手続きに時間がかかりすぎるとの国民の皆さんの声もある」と不満を語り、改善に取り組む意欲を示した。料金プランの変更や解約などの事務手続きが念頭にあるとみられる。

 菅氏はこれまで、携帯電話の料金を「4割程度下げる余地がある」との考えを示している。

 「10年ほど前は契約にかかる時間は40分ほどだったが、今は1時間半から2時間かかる」。携帯電話販売代理店の業界団体関係者はこう語る。総務省が全国の販売店で実施した接客の時間の調査でも、「30分以上1時間半未満」という回答が80%を占めた。

 待ち時間が長くなっている理由は、料金プランの複雑化のほか、スマートフォンが主流になったことで操作の説明に時間がかかることや、「説明なく不要なサービスに加入させられた」などの苦情が相次いだことから、同省が書面での契約説明などを法律で義務づけたからだ。

 ただ昨年度に販売店に寄せられた苦情調査によると、約3万6000件のうち約700件が待ち時間に関するものだった。携帯3社や販売代理店には、丁寧な説明など必要な手続きを確保した上で、料金プランの簡素化など待ち時間短縮に向けた取り組みが求められる。(大坪玲央)