東電・中部電・日立・東芝 原発事業、4社提携へ協議

東京電力柏崎刈羽原発6号機(松崎翼撮影)
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 東京電力ホールディングス(HD)と中部電力、日立製作所、東芝が原子力事業での提携に向けた協議を始めたことが22日、分かった。4社は提携に関する覚書を21日に交わした。原発の保守管理を担う新会社設立の案が出ている。東電福島第1原発事故後、国内では原発の再稼働が遅々として進まず、新設や増設のハードルも高いままで、将来的な原子力事業の再編につながる可能性もある。

 東電と中部電は、福島第1と同種の原子炉である沸騰水型軽水炉(BWR)を用いた原発を運営。日立と東芝は、東電や中部電にBWRを納入してきた。

 提携の中身は今後詰めるが、原発の保守管理を担う新会社設立の案が浮上。古くなった原発の廃炉作業の共同化なども検討する見通し。将来的な原子力事業の統合の可能性についても話し合われるとみられる。

 福島第1原発事故後、電力会社は保有原発の安全対策費が大きく増えている。

 東電は福島第1原発で既に廃炉作業が進むほか、今年6月には福島第2原発(福島県)の廃炉検討方針を表明。経営再建の柱とする柏崎刈羽原発(新潟県)は再稼働の時期が見通せない。本格工事が中断している東通原発(青森県)については他の電力会社との共同事業化を目指すが、協議は停滞している。中部電でも、浜岡原発(静岡県)の停止が長期化している。

 原子炉メーカーも国内では受注が見通しづらい上、海外の原発建設計画も事業費が膨らむ傾向にある。