【Sakeから観光立国】東北・夢の桜街道推進協、訪日客拡大に注力

東北・夢の桜街道推進協議会の総会であいさつをする宮坂不二夫事務局長(右)=7月31日、仙台市青葉区の宮城県庁
東北・夢の桜街道推進協議会の総会であいさつをする宮坂不二夫事務局長(右)=7月31日、仙台市青葉区の宮城県庁【拡大】

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 東北・夢の桜街道推進協議会の今年度総会が7月31日、仙台市青葉区にある宮城県庁で開かれ、規約改定を経て、新たにアドバイザーが選ばれた。農水省林野庁の山口靖・林政部企画課長、グーグル日本法人の陣内裕樹・広告営業本部観光立国推進部長、「日本酒スタイリスト」で彩食絢美(東京都渋谷区)の手島麻紀子社長、そして筆者の計4人だ。

 協議会は、東日本大震災で被災した東北地方の復興を支援するため、2011年秋に「東北・夢の桜街道~桜の札所・八十八カ所」を選定。「東北への桜旅」を提唱・推進し、東北への交流人口増加に貢献を続けている。

 筆者が本格的に協議会に関わったのは15年だった。

 東北経済産業局と協議会が連携し、通年で東北地域へ観光誘客を図り消費の拡大を目指すために「東北酒蔵街道」の事業を展開した際、筆者は手島社長とともに東北にある100カ所の蔵元を取材したことから、縁ができた。

 総会では昨年度の事業報告として、公式ホームページ改良のほか、携帯用のマップ制作、東北酒蔵街道アンケート報告、「桜旅」専用SNS(会員制交流サイト)であるフェイスブックグループ「みんなで巡る・桜の札所」による交流促進、子供による桜の絵画展開催などが報告された。

 総会の席上、協議会の宮坂不二夫事務局長は「インバウンド(訪日外国人観光客)の拡大が今後の東北復興の鍵と認識し、東北・夢の桜街道の英語版ホームページを作るとともに、SNSによる広報体制を構築し、世界への情報拡散を図っていく」と新たなインバウンド誘致策への意欲を語った。

 協議会のホームページでは、88カ所の桜の札所と番外編20カ所の映像を見ることができる。それは日本人に生まれて良かったと思える美しさだ。これらの映像と100の酒蔵が大きく世界に発信されるのが待ち遠しい。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年コーポ・サチを設立。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)、東北・夢の桜街道推進協議会アドバイザーを務める。