武田信玄や徳川家康も入湯したと伝えられ、ギネスブックに世界最古の宿と認定されている山梨県西山温泉「慶雲館」の運営会社が、解散を決議したことがわかった。消費低迷や価格競争で売り上げが伸び悩んだが、旅館は別会社が受け継いだ。(東京商工リサーチ特別レポート)
「慶雲館」の運営会社、「湯島」(旧:西山温泉慶雲館、山梨県南巨摩郡早川町湯島、登記上:東京都中央区八重洲、設立1951年1月8日、資本金1000万円、代表清算人:深沢雄二氏)が6月30日の株主総会で解散を決議したことがわかった。
「慶雲館」は別会社が受け継ぎ、最古の歴史は途切れずに継承されている。
◆藤原鎌足の息子が偶然に発見
「慶雲館」は飛鳥時代の慶雲2年(西暦705年)に創業された世界最古の温泉旅館として知られる。
《慶雲2年に藤原真人により発掘、開湯されたのが西山温泉です。藤原真人は藤原鎌足の長子で学僧として渡唐し、出家し定恵と名乗っています。真人は、この地方に流浪し「柳が島」に住んでいました。(中略)ある日、真人は狩猟の途中、湯川のほとりにさしかかった時、岩の間より盛んに噴き出している熱湯を偶然に発見したのです》(慶雲館ホームページより)