大手銀5グループ4~6月期 利ざや低迷も4社増益確保

 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2018年4~6月期連結決算が2日、出そろった。超低金利で貸し出し利ざやの低迷が続く中、海外や企業向け貸し出しなどを伸ばし、4社が増益を確保した。日銀が7月末に金融政策を修正し、長期金利の上昇を容認したことで、今後は若干の利ざや改善が期待できる。

 ただ、同時に大規模金融緩和の長期継続も表明。国内事業の苦戦が当面続くことが確実になった。

 本業のもうけを示す実質業務純益は利ざや縮小などが響き、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、りそなホールディングスの3社が減益となった。

 最大手の三菱UFJは、最終利益が前年同期比9.0%増の3150億円。出資する東南アジアの銀行の収益が好調だったほか、貸倒引当金といった与信関係費用が減少したことが寄与した。

 三井住友FGは6.0%減の2270億円だった。経費節減は進んだが、前年同期に計上した有価証券売却に伴う税負担の軽減がなくなったことが響いた。

 みずほフィナンシャルグループは国内外での企業向け融資が増えたことから36.1%増の1610億円。政策保有株式の売却を進めたことも利益を押し上げた。りそなは87.8%増の699億円だった。関西アーバン銀行とみなと銀行がグループに加わり、利益を底上げした。三井住友トラスト・ホールディングスは10.9%増の444億円だった。

 19年3月期の業績予想は5社とも据え置いたが、今後修正される可能性もある。