国内の紙巻きたばこ市場が減少を続ける一方、加熱式たばこ市場は急速に拡大している。紙巻きも含めたたばこ総市場に占める加熱式の割合は2020年に30%を超えるとの試算もある。認知度が高まるのに合わせて利用はさらに増えるとみて、各社は早くも「次の一手」に動き始めた。最後発だった日本たばこ産業(JT)が国内2位に急浮上し、顧客争奪戦は激化している。
業界で先行し、紙巻きたばこからの全面シフトを打ち出すフィリップ・モリス・ジャパンは、加熱式デバイス(喫煙器具)「アイコス」の詰め替え用たばこ「マールボロ」について、1箱(20本入り)当たり40円の値上げを財務省に申請した。10月のたばこ税増税に合わせた措置だが、認められると500円になる。
一方、紙巻きのマールボロについては50円引き上げの520円になる予定だ。紙巻きよりも加熱式を20円安くし、加熱式シフトを加速させる狙いだ。
これに対し、「グロー」をデバイスとするブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)は、詰め替え用たばこの新商品「ネオ」を投入した。これまでは紙巻きたばこと同じ「ケント」のみだったが、「低タールのケントでは物足りない」という喫煙者も多いことから、吸いごたえのある加熱式専用ブランドを業界で初めて創設し、多様な要望に応える。