東京都大田区の町工場が中心となって五輪競技用ボブスレーを製作する「下町ボブスレープロジェクト」。平昌五輪で、そりを走らせる夢はかなわなかったが、ボブスレーをメジャーな競技に育てるべく、新たな試みが始まった。
プロジェクトの中心を担う金属加工のマテリアルは今春、浅津このみ選手(31)を正社員として採用した。
浅津さんは、2010年のカナダ・バンクーバー五輪に出場。女子ボブスレー2人乗りで、そりを押し出す役割の「ブレーカー」を務め、下町ボブスレー1号機にも乗ったゆかりの選手だ。
現在は品質保証課に配属され、加工後の製品検査などに当たっている。細貝淳一社長は「加工後の製品の精度をどう高めていくのかを覚えることは、ものづくりの仕事の世界で必ず役に立つ」と話す。
両社に共通するのは、スポーツを続けるためにもセカンドキャリア(引退後の職業)に役立つ技能を身に付ける必要性があるとの考えだ。オトバンクの久保田社長は「スポーツだけではなく、社会全体からも必要とされる人になってほしい」と話した。