インタビューに応じる日本建設機械工業会の大橋徹二会長=東京都港区【拡大】
日本建設機械工業会の大橋徹二会長(コマツ社長)は、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、国土交通省が2016年から提唱しているICT(情報通信技術)を取り入れた建設現場の生産性向上策「i-Construction(アイ・コンストラクション)」について、「作業の平準化や施工の安全性向上などに大きく寄与する」と語り、業界としても対応を急ぐ考えを明らかにした。
建設工事や土木工事の現場では、危険と隣り合わせの作業も多く、労働条件も厳しいことから、若年層の就業が少なく、人手不足が深刻化している。
このため、大橋会長は現場作業の改善案として「例えば、現場への搬入前に部材をカットしておき、それを組み合わせるプレキャストなどを取り入れるなど、工数の見直しが必要」と指摘した。
また、公共工事を中心に年度末に作業が集中していることについても、「複数年にわたる発注を増やしたり、発注を年度の前半に前倒ししてもらうなど、作業を平準化させる取り組みが不可欠だ」と、発注側となる国や自治体など行政に対する協力を求めた。
一方で、多数の死傷者をはじめ大きな被害をもたらした、大阪北部地震や西日本豪雨に関しては、「日本は災害が多い国。被災地の復旧や復興に向けて、業界をあげて最大限の協力をしていく」との姿勢を示した。
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【プロフィル】大橋徹二
おおはし・てつじ 東大工卒。1977年小松製作所(現コマツ)入社。米スタンフォード大修士号取得。2001年真岡工場長、コマツアメリカ社長、取締役専務執行役員などを経て、13年から社長兼最高経営責任者(CEO)。18年5月、日本建設機械工業会会長に就任。64歳。東京都出身。