秋田、岩手県境の山あいを走る秋田新幹線=6月、秋田県仙北市【拡大】
JR東日本が秋田、山形の両新幹線で新たなトンネル整備を検討している。いずれも在来線を改良した「ミニ新幹線」で、ほかの新幹線に比べ速度や防災面で劣り、地元は改善に期待を寄せる。ただ、JR側は事業の前提として、国や自治体の大規模な財政支援を求めており、スムーズに着手できるかは見通せない。
秋田新幹線は、奥羽山脈の険しい山岳地帯を走る。沢沿いでカーブがきつく、勾配も大きいため、風雨や雪でたびたび運休や遅延が発生。並行する道路がなく、トラブルの際に乗客の避難誘導も難しい。新ルートの整備が、地元の長年の願いとなっていた。
JR東は昨年11月、田沢湖(秋田県仙北市)-赤渕(岩手県雫石町)に全長約15キロの直線的なトンネルを整備する計画を地元自治体に伝えた。工期は10年以上で、秋田-東京間の走行時間は約7分短くなるという。
秋田県の佐竹敬久知事は「安定的な運行とスピードアップにつながる」と期待。今年7月に沿線自治体で整備促進に向けた期成同盟会を設立、国やJR東に働き掛けを強める考えだ。