ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は19日の東京都内での講演で、「日本は(自家用車を用いた相乗りなどの)ライドシェアを法律で禁じている。こんなばかな国はない」と述べた。強い調子で政府を批判し、ライドシェアを国内で推進する方針を示した。
孫氏は米ウーバー・テクノロジーズをはじめ中国、インド、東南アジアの配車・ライドシェアサービス大手に出資している。これらのサービスは便利さだけでなく、交通渋滞解消や安全などにも寄与するとして「国が進化を止めている」と話した。
さらに他の分野でも規制が足かせとなり、日本は周回遅れになっているとして、「人々にとって良いことなのに、従来の薬局を守ろうとか、従来のタクシー会社を守ろうとか、従来の何かを守ろうということで、未来を放棄している国に未来はない」と政府の姿勢を強く非難した。
またソフトバンクと中国配車サービス最大手の滴滴出行は孫氏の講演後の記者会見で、人工知能(AI)を活用したタクシー配車サービスを今秋に大阪から開始すると発表した。6月に設立した合弁会社「ディディモビリティジャパン」が京都、福岡、沖縄、東京など全国で展開する。サービス利用料や機器の提供を無償にして提携するタクシー会社を広く募集する。