経営危機の危険サインとされる「GC注記」が付された企業の変調が相次いでいる。近年の上場企業倒産のGC注記率はほぼ100%で、内部統制や企業統治に不安を抱える企業も散見され、動向が注目される。(東京商工リサーチ特別レポート)
GC(ゴーイング・コンサーン)とは企業が将来的に事業を継続することを前提とする考え方のことで、GCに疑義やリスクがある場合に決算短信や有価証券報告書に注記がなされる。一般的には売上高の急減や債務超過、主要取引先の消失が発生するなど経営が危機に陥った時に、GC注記が付けられることが多い。
◆会社更生法の適用を申請した日本海洋掘削
東証1部上場の海洋掘削専門企業、日本海洋掘削(東京都中央区)が6月22日、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。同社は2018年3月期決算で454億円の最終赤字を計上。債務超過に転落し、金融機関との間で締結していた財務制限条項に抵触。GC注記が記載されていた。
同社は、世界の海域で石油や天然ガスの掘削を担う国内唯一の会社。国立研究開発法人「海洋研究開発機構」の地球深部探査船「ちきゅう」の管理も手がけ、影響も懸念されている。
日本海洋掘削以外にもGC注記企業の変調が相次いでいる。