ギフト業界“冬の時代” 共同仕入れの全通が事業停止 冠婚葬祭や社会の変化で凋落 (1/4ページ)

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 ギフト商品業界が冬の時代を迎えている。共同仕入れで全国に一大勢力を築いた全通(東京都江東区、髙橋睦社長)が事業を停止し、連鎖破綻が発生。背景には冠婚葬祭の簡素化やギフトの多様化があり、市場が縮小している。(東京商工リサーチ特別レポート)

 全通は4月2日、社長名で「加盟先倒産の影響をうけ、事業継続が困難となった」と記した文書を債権者に通知し、事業を停止した。

 そして同社は6月20日、都内で債権者向け説明会を開催した。突然の事業停止から2カ月半。この間、代理人弁護士が債権調査を行っていたが、方向性は明らかにされていなかった。事業停止後、全通から商品を仕入れていた地方のギフト販売業者が相次いで破綻し、関係者だけでなく注目を集めていた。

 20日の説明会では、初めて再建を断念し清算を前提とした「任意整理」か「破産」を選択することを表明した。債権者の意向をもって方向性を判断するという。説明会で示された負債総額は22億3375万円。債権者数は356社にのぼる。

◆「全国制覇」掲げて急成長

 全通は1983年、協同組合ジャパンギフトチェーン(江東区、以下JGC)と、組合加盟店の共同出資で設立された。

 JGCはギフト業界では唯一の協同組合として知られ、全国の中小のギフト販売業者らで構成されている。全通はJGCの共同仕入れ事業を担い、事実上はJGCと一心同体で、メーカーや問屋から一括して商品を買い付け、加盟店に供給していた。

式典の多様化、周辺業界の攻勢