テレビ朝日社長、セクハラ隠し録りで告発の女性社員と直属の上司「処分しない」

テレビ朝日の角南源五社長(宮越大輔撮影)
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 財務省の福田淳一前事務次官によるテレビ朝日の女性社員へのセクハラ問題に絡み、同局の角南源五社長は3日の会見で、隠し録りしたセクハラ音声データを週刊誌に提供した女性社員と、セクハラの報告を受けながら社内で情報を共有しなかった直属の上司について「就業規則に基づく処分は行わない」と発表した。

 処分しない理由として、女性社員について、音声データの提供はセクハラの事実を訴える公益目的▽音声データは取材中にセクハラが行われたことを示すのに必要な範囲に限られていた▽反省している-などを考慮。上司についても、セクハラの事実を隠蔽する意志はなかった▽情報共有できなかったことを反省している-ことなどを総合的に考慮したという。

 一方、女性社員に対して「取材活動で得た情報と音声データの一部が第三者に渡ったことは遺憾」として取材情報の取り扱いを指導。上司についても「組織としての情報共有が欠けたため、適切な対応ができなかった」として情報共有の重要性について指導した。

 同局では今後、コンプライアンス意識向上のため、管理職を中心に階層別に研修を行っていくという。