「大手町ビル」が先端技術拠点に 三菱地所がリノベ着手、トヨタなど入居へ (1/2ページ)

大手町ビル西側外観の完成予想イメージ。皇居のお堀を想起させる石垣をモチーフとしたデザインを取り入れる=東京都千代田区
大手町ビル西側外観の完成予想イメージ。皇居のお堀を想起させる石垣をモチーフとしたデザインを取り入れる=東京都千代田区【拡大】

 三菱地所は2日、今年で築60年と“還暦”を迎えたオフィスビル「大手町ビル」(東京都千代田区)の大規模リノベーション工事に着手したと発表した。地上9階建てのビルは東西間の距離が約200メートルと長く、その特性を生かし東側は「LAB(ラボ)ゾーン」と設定。トヨタ自動車をはじめ大企業の先端技術関連の部署などをテナントとして誘致し、ベンチャー企業との交流を促すことで「新たな事業を生み出す拠点とする」(湯浅哲生・執行役常務)考えだ。

 企業間連携を促進

 ラボゾーンの核となるのが、欧州ソフト最大手独SAPの日本法人と共同で開設する「TechLab(テックラボ、仮称)」。6階に導入し専任のマネジャーを配置することで、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ロボティクスといった先端分野での企業間連携を促し、事業の創出を目指す。

 また、同フロアにはトヨタの開発部門が入居。テックラボを利用する企業などと連携しながら、自動運転を支える周辺技術の開発体制を強化するとみられる。

 ビル全体の外観も大幅に変更する。東側は近くの東京駅に用いられているレンガを基調とし、皇居に近い西側は、お堀を想起させる石垣をモチーフとする。工事は2021年3月に完了する予定だ。

 東京都心部の再開発エリアでは、街の活性化に向けて大企業とベンチャー企業の連携を促す動きが相次いでいる。三井不動産は複合オフィスビル「東京ミッドタウン日比谷」(千代田区)で交流拠点「BASE Q」を運営。企業に所属しながら新ビジネスを立ち上げる「イントレプレナー」の支援事業に乗り出した。

続きを読む