シェアハウス投資へのずさんな融資の問題で揺れるスルガ銀行は28日、静岡県沼津市で株主総会を開いた。出席した株主によると、多額の借金にあえぐ物件所有者らから「組織的な不正だ」などと怒声が相次ぎ、大荒れの展開となった。
米山明広社長が冒頭「第三者委員会で徹底的に調査し抜本的な対策を講じる」と説明した。所有者側は、弁護団の団長を務める河合弘之弁護士ら約40人が出席し、30年以上トップに君臨する岡野光喜会長の経営責任を繰り返し追及した。今回の問題に絡んで岡野氏が公の場に現れたのは1月下旬の騒動発覚後初だったが、米山氏ら別の幹部が発言する場面が目立った。岡野氏は開始から約3時間後にようやく「金融庁検査と第三者委員会の調査を踏まえて厳しく責任を取る」と経営責任に言及したという。総会は3時間余りで終了した。
スルガ銀は問題の融資が焦げ付く恐れが強まり、2018年3月期連結決算を一部訂正する異例の事態に追い込まれ、最終利益が激減。金融庁の森信親長官が絶賛した高収益モデルは根底から揺らいでいる。株価も下落の一途をたどっており、数十年来の株主という85歳男性は「信用商売なのに、監査役を含め経営陣は何をやっていたのか」と厳しい表情を見せた。