8K、AI柱に攻めの経営へ シャープ再建に区切り

シャープの株主総会の冒頭、あいさつする戴正呉社長(手前右)のモニター映像=20日午前、堺市
シャープの株主総会の冒頭、あいさつする戴正呉社長(手前右)のモニター映像=20日午前、堺市【拡大】

 シャープは20日、堺市の本社で株主総会を開いた。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で業績回復が順調に進み、財務の正常化に向け2000億円を上限とする公募増資の実施を表明したことなどを受け、鴻海グループ出身の戴正呉社長が今後の事業戦略を説明。超高精細な映像技術「8K」や人工知能(AI)の分野を柱に、経営再建から攻めの経営へと転じる方針を示した。

 鴻海の傘下に入って2回目となる今年の総会には、昨年の半分程度の約370人が出席した。戴社長は「シャープはもう液晶の会社ではなく8KやAIなどのブランドの会社だ」と強調。「ビジネスを拡大し、グローバルに展開したい」と意欲を示した。

 戴社長は20日付で会長兼務となり、後任社長の人選も本格化させる。現行の中期経営計画の最終年度である2019年度までは社長を続投する意向で、後任社長については総会の後、記者団の取材に外国人も含めて幅広い選択肢から検討する意向を表明した。

 また東芝から今秋に買収するパソコン事業子会社について「将来、新規株式公開(IPO)する可能性もある」との考えも示した。