パナソニックは19日、家電分野の海外売上高比率を2022年度までに6割に引き上げる目標を明らかにした。17年度には初めて国内を上回って53%となったが、さらに拡大する。国内は市場の成熟もあり大きな伸びが見込めないことから、依存度を下げ、中国やアジアといった高成長が続く海外市場でエアコンなどを売り込み収益力の向上を図る。
家電事業トップの本間哲朗専務執行役員が京都市で開いた事業説明会で表明した。海外の現地生産拡大などでコスト削減も進めることで、売上高に対して本業のもうけがどのくらい上がっているかを示す「営業利益率」を直近の4%から、20年度までに一定の競争力の目安とされる5%に引き上げる方針も強調した。
具体的には、エアコンを海外拡大の牽引(けんいん)役として高級機種の販売にも力を入れるとともに、中国で拡大するネット通販市場で現地大手と提携しながらドライヤーなど小型家電の販売増を図る。
今年4月に京都市に開設した新たなデザイン拠点も活用し、ブランド力を高めたい考えだ。
生産面では、新興国で需要が旺盛なエアコンの現地生産を拡大。17年度にタイで生産を始めたのに続き、19年度にはベトナムでも開始する。