街中に置かれた自転車を共同利用するシェアサイクル専用駐輪場の整備が東京都心の千代田区・霞が関周辺で進まない。国の機関が多く、官庁側が敷地の提供に難色を示すケースが多いためだ。事業を運営する千代田区は貸し出し・返却の拠点となる駐輪場を区内に60カ所以上設置したが、官庁街や国会議事堂のあるおおよそ南北800メートル、東西1.6キロの区域が“空白地”となっている。
シェアサイクルは都市部の新たな交通手段に期待される。国土交通省の調査では2017年10月時点で導入済みか社会実験中の自治体は129市区町村。同省は乗り降りの利便性が向上すれば利用が拡大するとみて、専用駐輪場を倍増させ20年度までに全国1700カ所とする目標を掲げる。
千代田区は隣接する中央区、港区などと連携しシェアサイクルを運営。おおむね徒歩6分圏内となる300メートル間隔で駐輪場の整備を進めている。
自転車活用の旗を振る国交省は「シェアサイクルを使って国の機関にも訪問できるよう整備する必要がある」(街路交通施設課)として、他の省庁も含めた霞が関エリア全体で駐輪場の設置を後押しする方針だ。