サイバー攻撃、AIで対抗 技術者不足補う「助っ人」 (1/2ページ)

NECのサイバー攻撃監視サービスの拠点=東京都内
NECのサイバー攻撃監視サービスの拠点=東京都内【拡大】

 サイバー攻撃への対処に人工知能(AI)を活用する動きが本格化してきた。増える一方の攻撃に対し、守る側のセキュリティー技術者が不足している現状があり、AIによる自動化で作業を肩代わりする狙いがある。AIを「助っ人」にすることで、より高度な攻撃にも対抗できるようになると期待されている。

 NECは、数百の企業や官公庁のシステムを24時間体制で見張るサイバー攻撃監視サービスの業務に、約1年前からAIを本格導入している。

 「過去に経験したタイプの攻撃の検知はAIに任せています」。東京都内の監視拠点。宇宙船内のようなデザインの監視ルームの説明をしながら、担当者が胸を張った。

 ここには各企業に置かれたセキュリティー装置から、膨大なアラート(警告)情報が集まる。ただその多くは「誤検知」だ。アナリストと呼ばれる技術者たちは、1%未満という「本当の攻撃」を発見する分析作業に忙殺されてきた。

 現在、AIがかなりの作業を分担。技術者の負担を5~9割程度、削減できているという。開発担当者の千葉靖伸さんは「AIは技術者の判断手法を学習してどんどん賢くなっている。負担が減った結果、技術者がスキルを高めるための勉強時間も増やせた」と成果を強調した。

 どこからか流出した大量のIDやパスワードを悪用して、ネット通販サイトなどに不正ログインする攻撃の対策にもAIが使われている。

続きを読む