4月15日朝、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市、TDR)開園35周年のオープニングセレモニーが東京ディズニーランド(TDL)の玄関口「ワールドバサール」で開かれた。記念すべき日としてはあいにくの暴風雨の中、詰めかけた報道陣の一番の注目はTDRを運営するオリエンタルランドの加賀見俊夫会長のTDR拡張計画に関する発言だった。昨秋に拡張計画が浮上した際、今年5月までに詳細がまとまるとの見通しが報じられ、開園35周年の節目が発表の一つのタイミングとみられていたからだ。
セレモニーの冒頭、あいさつに立った加賀見氏は、来年に東京ディズニーシー(TDS)でフライトシミュレーター型の新アトラクション「ソアリン(仮称)」、再来年にはTDLで「美女と野獣」の新エリアなどがオープンすることを強調。その上で「その先も両パークのさまざまな開発計画を模索しているが、現在パークの拡張について検討しているところだ」と述べ、拡張計画を正式に表明した。加賀見氏からそれ以上踏み込んだ発言はなかったが、セレモニー後に宮内良一執行役員が急遽(きゅうきょ)取材に応じることになり、報道陣は色めき立った。
だが、その期待は一瞬にして打ち砕かれた。宮内氏は「既存のTDL、TDSの2つのパークのうち、どちらかを拡張するということで検討を進めている」とは認めたものの、拡張の場所や規模、時期など計画の詳細について「現在検討中で、決まり次第、速やかに発表したい」と繰り返すばかり。詳細の発表時期も「そこもまだはっきりしていない」と述べるだけで、明確にしたのは“第3のパーク”新設と新パークが空をテーマに検討されているという一部報道を否定したことくらいだった。