プジョー・シトロエン・ジャポン(東京)のクリストフ・プレヴォ社長は、「前モデルの4~5倍の売れ行き。購入動機は『デザイン』が多い」と指摘する。ルノーの拡販を牽引した小型車「トゥインゴ」も、「デザインが好評で、『人と違う車に乗りたい』という顧客の受け皿になっている」(関係者)という。
世界的に人気となっているSUVでの攻勢も販売を押し上げた。プジョーが昨年9月に発売した新型「5008」は、全面改良でミニバンだった前モデルからSUVに生まれ変わった。
■ライフスタイル前面に押し出す
独有力メーカーなどと比べた日本での知名度の低さを補うため、ルノーはフランスのライフスタイルや文化を前面に出した販促を取り入れてきた。シトロエンから独立した高級車ブランド「DS」も今年、パリのカフェをイメージしてコーヒーを振る舞うイベントを一部の店舗で開催した。
C3が219万円から、トゥインゴが177万円からと、輸入車の中では比較的、価格が手ごろなこともフランス車人気につながっているようだ。
存在感を増してきたフランス車だが、電気自動車(EV)などの電動化や自動運転技術の発達が加速し、競争の形も変わりつつある。プジョー・シトロエンのプレヴォ氏は、「多様化に対応できるように、販売店のネットワークを整えたい」と強調した。